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自作曲紹介

ピアノ協奏曲「奥の細道」Spotifyにて配信、各曲の解説など

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もう10年以上前に作ったピアノ協奏曲「奥の細道」ですが、最新の音源、Native Instruments社のKomtact Factory Libraryにてリミックスしたデータを、昨年2022年10月よりSpotifyなどのサブスクにて配信しております。

本当に当時作成していたデータをMIDIデータで残しておいて本当によかったと思っています。

DTMをされている方は、Cubaseなどのソフトのファイルだけでなく、ミックスのオーディオデータとともに、MIDIデータも保存されることをオススメします。

MIDIデータがあれば、他のソフトに音符などのデータを読み込まれることができます。

私は一番最初にDTMを始めた頃は、Singer Song Writerというソフトを使用していまして、そのファイルは保存してあったのですが、MIDIデータがないため、他のソフトで読み込まれることができず、再現させるには耳コピで調べるしかないという状況です。

なお、このアルバムの配信ですが、実は登録料金など、一切私は負担しておりません。

えっ、そんなことできるの? という感じではありますが、それができるのです。

オーディオストックでライセンス販売すれば、TikTokなどでオリジナル曲として使用できることを以前紹介しましたが、

サブスクでのアルバムの配信のサービスについては、オーディオストックに曲を登録すれば、ライセンス販売の審査に不合格の曲に対してでも、アルバム登録をすることにより、サブスクでの配信ができます。

AudiostockでBGM・効果音を販売中!

もちろん、無料な分、配信で得られる料金に対してある程度の割合で、徴収される仕組みになっております。

以前、音楽関係者の方が、サブスクで得られる料金が驚くほど安いことで、暴言を吐いてニュースになったこともありますが、本当に驚くほど、得られる収入は安いです。

正直に告白します。2023年4月から6月の三か月で、得られたこのアルバムの配信収入は34円でした。一か月10円余りです。

勿論、これが何かの間違いで世界的なアーティストが話題に上げたりするような事件が起きたら、凄いことになるかもしれません。

ピコ太郎の動画が、ジャスティンビーバーによって取り上げられたことで世界的なブームになったことは、知っている人も多いでしょう。

でも、そんな宝くじに当たらなくても、自分という存在が作った曲を、聴いてくれる人が、少なくてもいて、その人が聴いてくれれば、それでいい、と今は思うようにしています。

スポティファイでは、広告が定期的に入ることを苦にしなければ無料で視聴可能です。広告が入らないスポティファイプレミアムもあるようです。

作業のBGMとして、私のこの曲など使っていただけると、とても嬉しく思います。


さて、今回は、自作のピアノ協奏曲「奥の細道」を解説させていただきます。

8つの楽章は、松尾芭蕉が江戸から、仙台、山形、新潟と通り、岐阜の大垣まで旅した旅行記であります「奥の細道」で実際に詠まれた俳句を題材にしております。楽章は詠まれた俳句を時系列で並べています。

興味のある方は、読んでみてくださいませ。変拍子がいくつかある、独特の雰囲気を持つ組曲となっています。

第1楽章 行く春や鳥啼き魚の目は泪

奥の細道で最初に詠まれた俳句で、江戸を出発するときの別れの様子を表しています。

曲としては、春のさわやかな、それでいて、どこか切ないようなそんな雰囲気を、3拍子のかろやかなリズムに乗せて奏でています。

エンディングの畳み掛けるようなアップテンポの盛り上がりは必聴の価値ありです。

オーディオストックにて、動画などで著作権フリーで使用できる音源として発売中です。下のリンクからも聴くことができます。

春の雰囲気の華やかで抒情的なメロディー… (No.4275) 著作権フリー音源・音楽素材 [mp3/WAV] | Audiostock(オーディオストック)

第2楽章 あらたふと青葉若葉の日の光

松尾芭蕉が日光に行ったときに、日光東照宮の威厳の深さ、また木々には若葉が出て、そしてその中から太陽の光が見えるという俳句です。

「日の光」と「日光」をかけています。「あらたふと」は「あらとうと」と読みます。「あら尊い」という意味です。

曲としては、物凄く江戸感まっしぐらの作品となっています。聴いたことあるようなリズムと思われた方もいらっしゃるかもしれません。

水戸黄門のテレビドラマの曲のリズムそのままです。メロディーなどは引用すると盗作の扱いを受ける可能性もありますが、リズムやコード進行については、引用は一般的には認められていて、それで訴えられるケースはほとんどないようです。

威厳のある雰囲気を讃えたような、江戸時… (No.4281) 著作権フリー音源・音楽素材 [mp3/WAV] | Audiostock(オーディオストック)

第3楽章 かさねとは八重撫子の名なるべし

那須の高原を馬に乗って歩いているときに、「かさね」という名の子供が近くに寄ってきた、というエピソードが書かれていて、それに対する俳句になっています。

この俳句だけ、松尾芭蕉ではなく同行した曽良による俳句になります。八重撫子は「やえなでしこ」と読みます。

曲としては、5拍子の軽やかで可愛いリズムですが、真ん中あたりに曲調が違う怖いような感じの場面がありますが、これは突然の落雷が襲った、というような想像での設定を入れています。

この曲が私にとって、この中で一番愛着がある曲と言えるかもしれません。後で、ポップスとして「雨の日と火曜日の朝は」という曲で、カバーしています。

可愛い子供をテーマにした楽曲で、五拍子… (No.4282) 著作権フリー音源・音楽素材 [mp3/WAV] | Audiostock(オーディオストック)

第4楽章 夏草や兵どもが夢の跡

「兵」は「つわもの」と読みます。岩手県の平泉に行ったときに、平家が以前栄えていた痕跡は何も残っていない、という様子を詠んでいます。

曲としては、源平の合戦をイメージしたような、ほら貝の音のようなものを、ホルンの音で再現させています。

真ん中部分は、おだやかなピアノアルペジオ、そして最初のイメージと3段階の構成になっています。

時代劇の軽やかな雰囲気、そしてイメージ… (No.4283) 著作権フリー音源・音楽素材 [mp3/WAV] | Audiostock(オーディオストック)

第5楽章 閑かさや岩に沁み入る蝉の声

「閑かさや」は「しずかさや」と読みます。山形県の立石寺に行ったときに、岩に沁み入るように蝉の声が聞こえた、というひっそりとした静寂を表した、松尾芭蕉の代表的な俳句です。

実はこの立石寺、私は一度、元の嫁と二人でドライブで訪れています。地元、松尾芭蕉と同じ三重県伊賀市が故郷ですが、そこから、新潟経由で山形県の立石寺へ行っています。6泊7日です。

そのときは、元の嫁が体力的に限界だったため一番上までは上ることができず、半分ぐらいのところで引き返しています。動画があるので見てくださいませ。上まで登りたかったというのは本音です。

曲では、サティの「ジムノペディ」を真似したとした思えないような三拍子のゆったりとしたリズムに合わせ、オーケストラの楽器が、ミンミンゼミやツクツクボウシの鳴き声の真似をしています。

どの部分がそれが一度聞いてみてくださいませ。自然の鳥の鳴き声などを、曲の中に取り入れるという手法は、ビバルディの四季の春などでも行われていたりします。

なお、専門的な話にはなりますが、テレビのNHK教育でのクラシック音楽の番組で、神秘和音、というものを紹介していました。一般的なコードの概念からは外れるような複雑な音の組み合わせにより生じる和音のことです。

私はそれを再現させたくて、思考錯誤の結果、不思議な組み合わせの3つの和音を作り、循環させています。

シリアスな雰囲気に合うスローで静かな楽… (No.4284) 著作権フリー音源・音楽素材 [mp3/WAV] | Audiostock(オーディオストック)

第6楽章 五月雨を集めて早し最上川

「最上川」は「もがみがわ」と呼びます。「五月雨」は「さみだれ」と読みます。五月の雨と書きますが、梅雨の時期に振る雨のようで、季語としては初夏を表すようです。

松尾芭蕉が急流の最上川を川下りしたことを俳句に詠んでいます。

ということもあり、アップテンポなわくわくするような曲を作成しました。コントラバスが、低音でボンボンと一定のリズムで鳴る様子は、現代の4つ打ちのリズムを目指していて、この曲に関しては全く日本を感じさせない曲に仕上がっています。

ピアノは裏拍を意識したリフ的なピアノを入れています。これも、あまり前例がないような感じはします。

疾走感あふれる明るいオーケストラBGM (No.4285) 著作権フリー音源・音楽素材 [mp3/WAV] | Audiostock(オーディオストック)

第7楽章 荒波や佐渡に横たふ天の河

荒海が新潟の海岸に押し寄せていて、向こうには佐渡島が見え、天には天の川が見える、という様子を俳句にしたもので、松尾芭蕉の俳句の、現代の人気投票で、確かこれが1位だったのを見たことがあります。

私はこの曲を、第7楽章ということもあり、変拍子の中でもマニアックな7拍子にて作成しています。私はこの拍子で作成したのはこの曲だけです。

3拍子と4拍子が交互に繰り返されることで、7拍子となっています。

ゆったりしたスローなピアノから入り、乱暴に叩くかのような重厚なシーンへと繋がります。荒海を表しています。

途中、急に晴れたかのようなキラキラしたシーンがありますが、それは天の川の様子をイメージしています。

この組曲の中で、私以外は作れないのではないかというマニアックな、私の個性がよく出ている作品かと自分では思っています。

ミステリアスなファンタジーBGM (No.4286) 著作権フリー音源・音楽素材 [mp3/WAV] | Audiostock(オーディオストック)

第8楽章 蛤のふたみに別れ行く秋ぞ

奥の細道の結びの地、大垣にて詠まれた俳句になります。

曲としては、これまでの旅を振り返り回想するかのように、これまでのそれぞれの曲の一部分を部分的に取り入れたりしています。

ほのぼのとした哀愁を感じさせ、表情が幾… (No.4287) 著作権フリー音源・音楽素材 [mp3/WAV] | Audiostock(オーディオストック)