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自作曲紹介

「龍が天に昇るごとく」オリジナル演歌、天橋立をテーマに作りました

今から10年以上前、当時DTMを始めてから5年ほどだったと思います。生まれて初めて演歌に挑戦しました。

当時、プレイヤーズ王国というヤマハが主催するアマチュア音楽サイトがあり、そこがMySoundという名前に変わりましたが、そちらで、アマチュアの音楽家の人達が集まってました。

そちらで、作詞する人、作曲する人、歌う人とか、が集まってお互いに無料でコラボ活動などしてました。

その中で、ある男性の演歌を歌う人と知り合ったことがきっかけで、私は生まれて初めて演歌の作詞作曲をしました。

その男性の歌を聴いた女性の方が歌ってくれたものが、下の動画の音源になります。

今回は自作曲の紹介とは言いながらも、思い出話のような感じで進めていきます。

この曲を作るより前だったのか後だったのか覚えてませんが、京都府宮津市の天橋立に行きましたが、展望台から見た景色が、龍が天に昇るように見える、ということから、名付けました。

龍が天に昇るごとく 

Ⅰ
寄せては返す波の音が
胸の中を揺さぶる
過ぎ去りし日の切ない香り
呼び覚ましながら

凍て付くような北風に吹かれても
肩を抱かれた気がした

龍が天に昇るごとく
誰にも止められぬ流れに身を任せ
龍が天に昇るごとく
あなたへの想いつのりゆく天橋立(あまのはしだて)

Ⅱ
水平線に灯る漁火(いさりび)
瞳を赤く染め上げる
二人で見たあの日の温もり
呼び覚ましながら

うつ伏せのような苦しみにもがいても
勇気を持てた気がした

龍が天に昇るごとく
水面(みなも)をつき抜けてあなたの元へ
龍が天に昇るごとく
果てしなく心洗われる日本海

龍が天に昇るごとく
誰にも止められぬ流れに身を任せ
龍が天に昇るごとく
あなたへの想いつのりゆく天橋立
スカイパックツアーズ

この曲は歌詞から先だったのか、曲から先だったのかよく覚えていませんが、最初メジャーコードで作ったときに、コラボ相手の男性の歌い手さんから、演歌はマイナーコードでないといけないですよ、と言われ、マイナーコードに変えたことを覚えています。

長調の演歌もあるかとは思いますが、基本的には短調、マイナースケールと思っていいかと思います。マイナースケールの、哀愁を帯びた雰囲気というのが演歌に合う気がします。

当時、歌詞を他の人に考えてもらい、それに曲をつけるというケースが多かったのですが、この曲については自分で作っています。今見ても、歌詞は自分なりによく書けているかなと思います。

演歌で、紅白歌合戦などで、津軽三味線の伴奏を入れているのを参考にして、津軽三味線の音を曲に入れてみました。

三味線をインターネットで調べて、3本の弦で再現が可能な音にしました。実際の演奏で出る音を使うことは、楽器としてのリアリティに繋がります。

アーティストやアイドルなどへのコンペでは、演歌というジャンルは私は一度もありませんでした。今でも演歌でデビューする方もたくさんいらっしゃるのですが、演歌については、ベテランの作曲家の方が作るという慣習になっているのかもしれません。

今回は、短いですが、過去の曲、生まれて初めて作った演歌について話しました。なお、ココナラなどでアレンジとして演歌は何度か作成していますが、オリジナル曲としてはまだ3曲ぐらいしか作っていません。

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DTM

作詞を始めよう!【情景描写】で、聴いている人の想像力を刺激しよう

DTMする人の目標の一つとして、作曲家になりたいというのがあります。作曲家事務所に所属するようになりますと、コンペ形式による、曲の募集があります。

男性アイドルグループ「Goronyaaaaan」のための、冬をテーマにしたシングル曲の募集です。冬の寒さの中でも、温かいホットな感情を感じさせる恋愛曲を募集します。

などと、書かれて募集されるのですが、全体の7割ほどでは、歌詞も同時に求められたりします。シンセメロも可、というのもありますが、大半で歌詞も求められます。

作詞する人が他にいて、その歌詞がたとえ採用されないケースであったとしても、歌詞は求められます。なぜなら、作った歌詞をイメージして、新たな歌詞を作るヒントになるからです。

歌詞を採用されなくてもいいから、適当に書いておけ、みたいなノリで作った曲は、曲がよくても、歌詞によって落とされるケースもあると考えた方がいいでしょう。

コンペで採用されるには、物凄く多く集まった曲を、まず第一選考の人によって、候補曲を振り分けられます。ほとんど同じ感じの曲を聴いたとき、

歌詞がいい方が、いい曲のように感じられるのは当然ですから、歌詞がいいことは、大きな長所に成りえます。

コンペで受かるには、歌詞は結構重要みたいです。とは言え、私はまだ、コンペで受かったことがないのですが。シングルのトップの表題曲を作った作曲家の方が、歌詞は重要ですよ、とおっしゃってました。

私が、大好きな曲「異邦人」の歌詞をここに書いてみます。

子供達が空に向かい 両手を広げ
鳥や雲や夢までも つかもうとしている
その姿は 昨日までの 何も知らない私
あなたに この指が 届くと信じていた

空と大地が触れ合う彼方
過去からの旅人を呼んでる道

あなたにとって私 ただの通りすがり
ちょっと振り向いてみただけの 異邦人

私の年代ですと、この曲がシルクロードをイメージして流れていることを覚えていたりするのですが、初めて聴いた人でも、想像力をかきたてられる歌詞だと思いませんでしょうか?

歌詞を読んで、その光景が、できればカラーで聴いている人の心に描かれれば、とても素晴らしい歌詞だと、私は思います。

上の歌詞では、子供が空に向けて手を広げていることを、あなたのことを思って手を伸ばす自分と重ね合わせているのですね。

また、空と地面の境界線まで見える広々とした景色のことを、「空と大地が触れ合う彼方」と表現しています。これ以上の表現が他にあるでしょうか? 当然ビルがひしめき合う都会では、この表現は使えません。

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話は代わり、俳句で「古池や 蛙(かわず)飛び込む 水の音」という松尾芭蕉の有名な俳句があります。学校の教科書で習ったことを覚えている方も多いとは思います。

蛙(かえる)が飛び込む音は、とても静かな環境でなければ聞き取れません。ですので、この俳句は、古池に蛙が飛び込んだ水の音が聴こえた。だけでなく、とても静かな光景だった。ということも同時に表現しているんですね。

歌詞には、曲にするという意味で、字数が無限にあるわけではありません。そういう意味では、小説よりも言葉を厳選しなければいけないわけです。

私は歌詞を作るとき、メロディーを口ずさみながら、ゴロがいい言葉を当てはめていくこともよくやったりします。

でも、それより、

いい歌詞を作ろうとするならば、それこそ小説でも書くかのように、物語を一度書いてみて、その物語を表現するなら、どの言葉を歌詞として選んでいけばいいか、などというように作詞するのはどうでしょうか?

物語を作るなら、5W1Hを意識しましょう。

WHO 誰が? 主人公は誰なのか? また男なのか女なのか? 若い高校生なのか? それとも熟年なのか?

WHEN いつ? それはいつなのか? 冬の寒い朝なのか? 卒業式の日なのか? 焼け付くような熱い昼なのか?

WHERE どこで? それはどこなのか? 砂漠なのか? 都会なのか? 学校なのか? 教会なのか? 公園なのか?

WHAT 何を? それは何をしたのか? 心のこもったプレゼントを? 楽しい歌を? 

WHY なぜ? それをするのはなぜなのか? とても好きになったからなのか? とても悔しいからなのか? 君の将来のことを思ってなのか?

HOW どのように? 明るくそれをしたのか? なげやりなようにしたのか?

5W1Hを意識して、歌詞の前の、簡単な文章を書いてみます。

ポニーテールが似合う少女が、高校の卒業式のとき、体育館の裏で、プレゼントをさりげなく彼に渡した。なぜなら、彼のことをずっと片思いだったからだ。

例えば、上のような、いかにも漫画などでありがちな情景を、5W1Hを使って、場面設定したとします。

すると、この情景を題材にして、何か歌詞が書けるとは思いませんか?

その歌詞を書くなら、視点を「ポニーテールが似合う少女」にするのか? プレゼントを受け取った彼にするのか? それとも第三者の客観的な視点にするのか? 主に3通り考えられます。

歌詞には必ずしも5W1Hの全てが揃っている必要はありませんが、最初にイメージする場面設定でこれをしておくことにより、歌詞が容易に聴いている人に、想像させることができます。

ポニーテールが似合う少女を視点にして、歌詞をさっと書いてみます。視点とは、自分が少女になったつもりで歌詞を書くという意味です。

君のこと 思う日々 切なさ募るよ
後悔したくないから 心を決めたの
体育館の裏で 待ってるなんてね
映画の見過ぎだよと 笑う自分がいる

卒業式のすぐ後に 君と二人きりなんてね
願ってもないシチュエーションなのにね
慌てちゃう!

プレゼント渡したらさ 何も言えず走って逃げた
ポニーテール振り回して 結構イケテルかも?
その後君が どうしてるのか?
後になったらどうでもいい
今日という日にはもう 悔いはないよ

以上、今回は、歌詞について書いてみました。

こういう内容の記事を書いてほしいという方は、コメントお待ちしております。

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