今回はNative Instruments社が出しているバンドルKompleteの無印版に含まれるピアノ音源を全て、同じ弾き方のデータで聞き比べてみます。
Grandeur
まずは、使用頻度が高いGrandeurです。コンサートグランドピアノをサンプリングしたリッチなサウンドが特色です。
有名なDTMレッスンのサイト、スリープフリークスで、世界中の全てのピアノ音源の中からの人気投票で2位でした。コンプリートの中では1位になります。
実は私は、ピアノ音源はほとんどこれしか使ってません。理由は、他のピアノ音源の場合、セッションとして合わせるときに、微妙なピッチのずれがあるからです。
これは、コンサート用というだけあって、他の音とのピッチ的な相性も問題ありません。
ちなみに、私がサブスクで出しているピアノ協奏曲「奥の細道」はこの音源を使用しています。
NOIRE
NOIREは、作曲家ピアニストのNils Frahmの自宅のピアノをサンプリングして作られています。グランデュアより、落ち着いた音色ですね。映画サウンドなどに合いそうです。
このピアノ音源だけ、開いたときに横長デザインです。理由は、この音源には、PARTICLES ENGINE という名前の機能があることです。
弾いた音に合わせて、様々なバリエーションの、アルペジオ的な不思議な感じの細かな音を自動的に入れてくれる機能です。それについては、また解説します。その機能をこのピアノ音源にだけ入れていることを見ても、Native Instruments社が力を入れていることが分かります。
UNA CORDA
UNA CORDAは、カスタムメイドのピアノサウンドを再現しています。各鍵盤に一つの弦だけが張られているピアノのようです。
最初に聴いたときの感想はこもった音だなという印象だったのですが、それがどういうピアノなのか解説を読んでみると、少し聴こえ方も違って聴こえてくるから不思議ですね。
音源的には、発音タイミングにノイズが入るところが気になってしまいますが、そのあたりはわざと入れているのかは不明です。
MAVERICK
MAVERICKは、ビンテージグランドピアノをサンプリングしているようです。ノアールよりははっきり、グランデュアよりは落ち着いたという音色です。
GEMTLEMAN
GEMTLEMANは、ビンテージアップライトピアノをサンプリングしています。マーベリックと音色は近い気がします。
GIANT
GIANTは世界最大のアップライトピアノをサンプリングしているようです。音色的にはマーベリックに近い気がします。
この音源の特徴として、Cinematicと呼ばれるところが別にあり、そこではいろんな組み合わせで、音作りができるところですかね。まだこのあたりは、私も今日知ったばかりですので、詳しくは分かりません。
そういう意味では、ノアールとは、音源としての拡張性を変えることで特徴づけている気がします。
それぞれの音を目隠しで、聴かせてみて、利き酒ならぬ利きピアノ音源ってやってみても面白そうですね。
ちなみに、Cubaseに初めからついてくる音源のハリオンソニックの「YAMAHA S90ES Piano」の音も入れておきます。
物凄くはっきりとした音で、ポップスなどで多くの楽器に合わせるなら、むしろこちらかもしれません。