今回は、転調とは何ぞや? また、転調のパターン、そして方法について解説します。
転調とは? ことなるキー(スケール)に、曲の途中で変更することを言います。
変えることで、世界観が変わります。明るくなったり暗くなったり、盛り上がったり、クールになったりします。
スケールにはメジャースケールとマイナースケールがあります。
Cメジャースケールの構成音は、ドレミファソラシド
Cマイナースケールの構成音は、ドレミ♭ファソラ♭シ♭ド
①同主調転調
C→Cm(Cメジャースケール→Cマイナースケール)、
もしくはCm→C
Cメジャースケールと、Cマイナースケール、の転調は、同じ音が主の同主調転調と言います。
メジャースケールは明るい響き、マイナースケールは暗い響き、ですが、同じ音が主となる同主調転調では、明るいイメージと暗いイメージとが、入れ替わることで、曲の雰囲気を劇的に変化させることができます。
それでいて、同じ音が主となる音となるため、無理な感じがあまりせずスムーズなんですね。
ポップスでよく用いられる転調です。米津玄師の「Lemon」が特に有名ですね。
また、クラシックでは、ギター曲の「禁じられた遊び(愛のロマンス)」がEm→E(Eマイナースケール→Eメジャースケール)の転調をしています。クラシックなどでも多い転調です。
②近親調転調
近親調とは、主調と近い関係の調を意味します。
具体的には、属調、下属調、平行調、同主調が含まれます。
属調は完全5度上を意味します。C→G
下属調は完全5度下を意味します。C→F
ハ長調のときの3コードは、C、F、Gですので、3コードの調と考えれば覚えやすいですね。
Cメジャースケール=ドレミファソラシド
Gメジャースケール=ソラシドレミファ♯ソ
Fメジャースケール=ファソラシ♭ドレミファ
♯や♭が5線譜に付く数は、Cメジャースケールから見て、どちらも一つしか変化がありません。
そのため、転調したのかどうかが分かりにくい、さりげない感じの転調と言えます。
近親調の最後は、平行調ですが、これは、調号の変化が全くない調のことを意味します。
C→Am、もしくはAm→C
調号の変化が全くないため、これを転調とは考えないこともよくありますが、正確には転調になります。転調の中では、一番変化が少ないと言えます。ほぼイコールという感じです。
平行調の考え方で行きますと、以下もよく出る転調パターンになります。
属調(G)の平行調C→Em
下属調(F)の平行調C→Dm
同主調(Cm)の平行調C→E♭
平行調(Am)の同主調C→A
③半音上、全音上、の転調
カラオケなどで、大サビ(エンディング近くのサビ)で、全体でスライドするように上がる転調のことは、感覚的に覚えている人も多いでしょう。
サビのメロディーはそのままで、まるごと半音、もしくは全音上がることで、盛り上がる感じを出しています。単純に、音域が上がると盛り上がる感じが出るのですね。
C→C♯、半音上がり
C→D、全音上がり
※大サビでの繰り返しに限らず、Bメロからサビに変わるときにこの転調が用いられることもあります。
④半音下、全音下、の転調
上がる転調とは逆で、半音下がり、全音下がりの転調もあります。どちらも、盛り上がりとは逆で、落ち着く、沈む感じになります。上がるのに比べて、頻度は落ちます。
C→B、半音下がり
C→B♭、全音下がり
⑤それ以外の転調
キーはメジャースケールだけで行きましても、12個ありますので、Cからの転調の先も、メジャーキーだけでも11種類ありますが、上記に挙げた以外は、どちらかというと、かなり少数派となりますので、最初のうちは覚えなくてもいいかなとは思います。
一応挙げておきますと、
C→E、長3度上がり
C→A♭、長3度下がり
C→F♯、短5度上がり(=短5度下がり)つまり、正反対のところに位置している調、この転調が一番違和感を感じるかもしれません。逆に言うと、違和感を演出したいときに使えます。
以上、今回は転調について解説させていただきました。次回は、転調させるときのコード進行の繋げ方について、解説させていただきます。