今回はコード進行について解説させていただきます。
音の響きを実際に聴いてもらって、こういう感じなんだと体感できるところが、私のブログの強みにしたいですね。
ポップパンク進行
初めに、ポップパンク進行から解説します。あまり馴染みのない言葉ですが、世界的に物凄く多用されているコード進行です。世界的に見れば一番多いかもしれません。
ビートルズの「Let It Be」のイントロの出だしと同じことから、レットイットビー進行と呼ぶ人もいます。
- ハ長調に直すと、 C→G→Am→F
- ディグリーネーム、Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅳ
になります。
ポップパンク進行の特徴ですが、明るく希望を持てるイメージですね。循環コードとしても使えます。
C→G→Am→F→C→G→Am→F→と続くとして、
Cから始まらなくても、Amから始まったり、Fから始まったりして、
- C→G→Am→F
- Am→F→C→G
- F→C→G→Am
以上3つの組み合わせが、この進行の中に含まれるということです。Gから始まることは、めったにないです。ドミナントから始まるときは、極めてまれになります。
カノン進行
二番目にカノン進行を紹介します。以前このブログで岡村孝子のコード進行は高い割合でカノン進行というのを上げました。
興味のある方は、後で覗いてみてください。ブログ上の検索で「岡村孝子」で出てきます。
ピアノロール画面を見て気づかれた人もいるかもしれませんが、このカノン進行の特徴としてベースラインが最初、階段状に下降するというのが挙げられます。
- ハ長調に直すと、C→G/B→Am→Em/G→F→C→Dm→G
- ディグリーネーム、Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅱm→Ⅴ
このコード進行は8小節で一つの単位になっています。
カノン進行はメジャーコードとマイナーコードがいいバランスで混じっていることから、感動的で情緒的な響きですね。日本人が好きなコード進行と言えます。
王道進行
三番目に挙げるのは、王道進行です。日本のポップスで一番多く使われているコード進行になります。
ただ、世界的にはそれほど使われているということはありません。世界の人は、このコード進行を日本のコード進行と呼ぶこともあります。
- ハ長調に直すと、F→G→Em→Am
- ディグリーネーム、Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm
最初メジャーコードでつないでおいて、GからCに行くかと見せかけて、マイナーコードに向かうあたり、日本人の心にグッとくる切なさを感じますね。
Just The Two Of Us進行
四番目に挙げるのは、Just The Two Of Us進行です。ジャズの同名の曲がヒットし、それを真似する人が多かったことから世界的に広まりました。
椎名林檎の「丸の内サディステック」の曲がこのコード進行を使っていることから、日本では「丸サ進行」と呼ばれることも多いです。
- ハ長調に直すと、FM7→E7→Am7→C7
- ディグリーネーム、ⅣM7→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅰ7
これまでに挙げたのは、全てコードが、ダイアトニックコードだったのですが、これについては二か所違います。
ダイアトニックコードですと、Em7、CM7になります。
E7は、Amに進むためのセカンダリードミナントと呼ばれるコードになります。
また、C7は、Fに進むためのセカンダリードミナントと言えます。
セカンダリードミナントとは、GがCに向かおうとするドミナントモーションの性質を、他のコードに対しても用いることを意味します。
最近の日本のポップスで、本当によく使われることになった、今が旬のコード進行と言えるかもしれません。
小室進行
最後に紹介するのは、小室進行になります。その名の通り、小室哲也が、多用したことから名づけられました。
- ハ長調に直すと、Am→F→G→C
- ディグリーネーム、Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ
最初がCだったら普通なのですが、暗い感じがするAmを最初に持ってくることで、情緒的な響きがします。
以上、コード進行に名前がついている有名なコード進行を5つ紹介させていただきました。
次回はコード進行に対して、実験的な試みをしてみようと思っています。