今回はコード進行を考える上での、上級者向けのテクニックであります「モーダルインターチェンジ」について解説します。かなり難解な内容になりますので、初心者の方はパスしてもらっても構いません。
モーダルインターチェンジとは、モードの交換という意味になります。
モードについては、以下の記事で書いております。
【モードスケール】とは何? 使えば、今までにないサウンドを演出! – GoronyanのDTMマインド~音楽と日常のこと (thegoronyan25.com)
モード | ダイアトニックコード |
イオニアン | C、 Dm、Em、F、 G、 Am、Bm-5 |
ドリアン | Cm、Dm、E♭、F、 Gm、Am-5、B♭ |
フリジアン | Cm、D♭、E♭、Fm、Gm-5、A♭、B♭m |
リディアン | C、 D、 Em、F♯m-5、G、Am、Bm |
ミクソリディアン | C、 Dm、Em-5、F、 Gm、Am、B♭ |
エオリアン | Cm、Dm-5、E♭、Fm、Gm、A♭、B♭ |
ロクリアン | Cm-5、D♭、E♭m、Fm、G♭、A♭、B♭ |
Cを基本とした各モードのダイアトニックコードを並べると上のようになります。
イオニアンはメジャースケールと同じで、エオリアンはマイナースケールと同じになります。
例
C→G→Am→F→Gm→A♭→B♭→C
モーダルインターチェンジの考え方を用いれば、上記のようなコード進行が作れます。最初Cイオニアンモードで、
Gm→A♭→B♭の部分だけ、Cエオリアンモードにしているという理屈です。
モーダルインターチェンジについては、モードの変更とは言いながらも、圧倒的にマイナースケールと同義のエオリアンモードのコードを使うケースが多くなります。
そういう意味では、長調から短調に一時的に同主調転調しているとも言えます。
Cエオリアンモードのコードのうち、Fmについては、サブドミナントマイナーと呼ばれ、使用頻度が高いものになります。
例
Am→F→Fm→C
モーダルインターチェンジをする場合は、ダイアトニックコードを使用していないこともあり、調性感が薄れることがあります。
もともとそのキーでメロディーを作っていた場合には、メロディーと半音でぶつかったりする箇所が多くなると、キーが合っていないかのような違和感を感じますので、コードとの半音でのぶつかりが少ないようなメロディーに変更するなどの工夫が必要になることがあります。
とは言え、ダイアトニックコードにはないコードを使用することにより、ハーモニーが複雑になる分、おしゃれな雰囲気も出すことができます。
Offiicial髭男dismの曲に、モーダルインターチェンジを使用したコードなどがよく使用されているとのことです。私も一度研究してみようかと思っています。