前回、コード進行について、「ポップパンク進行」「カノン進行」「王道進行」「丸サ進行」「小室進行」について、解説しました。
今回は、実験的な試みとして、「カノン進行」「王道進行」「丸サ進行」に対して、同じハ長調に直した「もみじ」のメロディーを被せたら、曲として成立するかということをやってみます。
原曲はシンプルなコード進行になっておりまして、
C→Gで一つの小節になっているのを、Aメロ部分ではひたすら繰り返しているだけです。
カノン進行
↓カノン進行(C→G/B→Am→Em/G→F→C→Dm→G7)
↓カノン進行にもみじのメロディーを重ねたもの
カノン進行にメロディーを重ねた音は、初めて聴いた瞬間は、もみじの曲のイメージが頭にできていることもあり、違和感を感じますが、
コードとメロディーとの違和感の一番が、アボイドノートにあることが多いです。
アボイドノートとは、回避すべき音、という意味です。
多くは、半音差でぶつかっている音のことを示します。ただし短い音などは問題ありません。またアボイドノートは絶対使ってはいけないという意味でもありません。
カノン進行と重ねた場合、4分音符以上で、半音のぶつかりが二か所あります。
こういった場合、
①あえてそのままにする ②コードを変える ③メロディーを変える
の三つの対策が考えられます。
曲が先にできていて編曲する場合は、通常は②の方法でコードの方を変更することがほとんどなのですが、
コード進行の方を優先して③のメロディーを変えることを今回はしてみますね。
半音でぶつかっている1小節目、5小節目について、メロディーの音をぶつかっているその音に合わせたものが下の音になります。
どうしても「もみじ」のメロディーが頭に残っているため、違和感はそれでもありますが、もみじをこれまでに聴いたことない人なら違和感がない感じになったのではないかと思います。
王道進行
↓王道進行(F→G→Em→Am)×2回
↓王道進行にもみじのメロディーを重ねたもの
いろいろ聴いていると、これはこれであり? かとも思われますが、半音でぶつかる箇所は上の画像のように結構多く、4分音符以上のメロディーの音について、半音でぶつかるコードの音に合わせると下の音になります。
丸サ進行
↓丸サ進行(FM7→E7→Am7→C7)×2回
↓丸サ進行にもみじのメロディーを重ねたもの
ダイアトニックコード以外のコードを使用しているのが特徴の丸サ進行ですが、幸運というべきか、この曲の場合は、アボイドノートは少なく2か所です。
そのためか、違和感は少な目に感じます。
半音のぶつかり箇所をこれまでと同じく修正したのが下の音になります。
同じメロディーに対しても、人によって、また向かう方向性によって、つけるコードも違ってきます。コードによって、雰囲気が明るくなったり暗くなったり、情緒的になったり、憂鬱になったりします。
コードに絶対という法則もなく、メロディーに絶対という法則もありません。
いろんなコード進行を覚えた上で、自分なりのアレンジを加えることで、自分にしか出せない色を曲の中に出せたりします。
音楽理論は、音楽的にスムーズに自然に流れさせるには、どうすればいいかを教えてくれますので、覚えれば必ず自分の身にはなります。
それを知った上で、その理論から外れることをすれば、それはそれで、違和感になったり、意表をついたりしますので、理論は覚えた方がいいですが、必ず従わなければいけないことではないと私は思います。
以上で終わります。